自分にあった着物選び。

お盆中、こんなお客さんが来られました。

もたはんより若く30歳ぐらいの方で

もたはんの着方教室に通いたいとの事。

 

 

それだけで手放しに喜んでいい事なのですが

着物を持っていないので

「小紋が欲しい」とおっしゃるではありませんか!

 

(あせるな!もたはん!冷静に!笑)

ここで普通なら「こちらが小紋ですよ!」とご紹介するところですが

「なぜ小紋が欲しいのですか?」と少し話を深掘りさせてもらいました。

 

着物選びには「物語」がある。

なんでも結婚して来年にはアメリカに移住するかもしれないとの事。

そこで、着物を着て生活できたらきっと楽しいだろうなと思っている事。

日本にいるうちに着方をマスターしておきたいという事。

カジュアルに着れるものとして調べたら「小紋」を知ったという事でした。

 

 

 話をお伺いしたうえで

僕はアメリカで着物を普段に着るなら絶対洗える方がいいですよ!

と木綿の着物をご提案しました。

 

 

やっぱり自分が日々着ていて気になるのは着物のメンテナンスですから

ことアメリカに行ったりしたら

正絹のメンテナンスなんてできるところは本当に限られてきます。

絶対に自分で洗えるものがいい。

 

 

そして、もしアメリカでパーティー(アメリカといえばホームパーティーみたいな安直なイメージ)に参加するような事があれば持っている振袖や訪問着を着れば良くって、それは帰国のタイミングでクリーニングすれば良いですよ〜とお伝えしました。

  

そんな話を1時間ぐらいしていたら俄然自分で洗える着物に興味を持たれたらしく

そこで初めて洗える着物ってこんなのがありますよ〜という話をしました。

 

店とお客様、それぞれの視点で考える。

何が言いたいかと言うと

売り手は

今から着物を着たい!という人が

どういう場面で

どういう着物を着たいのか

という話をしっかりお聞きする事は大切です。

 

 逆にお客様の側も

「どんなシチュエーションで着物着れたら楽しそうかな?」

を想像しておくとお店さんも提案しやすいかもしれません。

 

 

もしかしたら小紋が欲しい!と言われて

小紋をオススメしていたら小紋を買ってくれたかもしれません。

でもアメリカで普段で着たいという話を聞いていなければ

きっとご本人さんはメンテナンスに困ったのではないかなと思います。

 

ちょっとお節介かもしれませんが

その人一人一人の物語にあった着物が存在する以上

物語にあった着物をご提案する。

「それ着物いらないですよ」も含めて。

 

あ、でも本当に正絹の小紋が欲しかったら「それでも小紋下さい!」とズバッと言って下さいね()

小紋もあり〼

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