売り手よし、買い手よし、作り手よしの三方よしのはじまり。
はじめて尽くしの2019年はものづくり盛り沢山。
レースの着物から始まって、オリジナルのカレンブロッソや、トスコはんの色じゅばん。
そして年末は紬さがのの半巾帯を長尺で作らせて頂いております。
いきあたりばったりというよりは、ご縁が連綿と続いている感じです。
そして無いものを作るというよりは、あるものを今にあう形で作り直しているように思います。
そのヒントをtontonさんや全国の着物好きの皆さんが教えてくれています。
紬さがのの帯もその一つ。
まさか長尺の帯を作ろうなんて一月前には考えてもいませんでしたが、アンケートを取ってみると皆さん長尺が欲しいと。
これは作ってもらうしかありません。
話は少し戻りますが、大阪での呉服屋時代。
自分で初めて角帯を買った京都の「えいたろう屋」さんという男着物のお店があります。
そこの女将さんがミンサーの半巾帯を締めていました。
女将さんは「この色がどうしても欲しくて、でも1本じゃ作れないからお客さんに『欲しい人~』って声をかけてみんなで5本ぐらい作ったんですよ~」と。
当時の僕はそれすごくいいな!と感動したので覚えています。
お店の人も着物好きだし、一緒に同じ帯を作っちゃう友達みたいなお客さん。
このふとした記憶が今蘇ってきていて、いいな~と思えるものをみんなで作っている感覚にいます。
お客さんともそうですが、帯を作る織元さんとも「これはこうなるといいな〜」「それすごくいいですね!」なんて言いながら、ものを作ってもらう関係もできてきています。
激動の2019ですが、売り手(もたはん)と買い手(お客さん)、そして作り手の三方よしが見えてきました。
あと世間よしになれば四方よしですね。