着物は仮装?
結論:着物だけでは仮装ではない!
先日、ハロウィーン前日に着物を着てコストコに行った時のこと。
日本人の店員さんから「仮装ですか?」と尋ねられました。
ハロウィーン前日で、ハロウィーンイベントをしていたという事もありますが、その何気ない一言に深〜〜〜く考えさせられました。
正直に言うと、その質問を聞いた時、僕は少し違和感を覚えました。
着物を着ることは、僕にとって「仮装」でも「コスプレ」でもないからです。
加えて、言われた相手が日本人だった事もダブルパンチ。
もちろん店員さんは好意的な意味で質問してくれましたし、僕も違和感があったとはいえ嫌な気持ちになった訳ではありません。ただ、なぜ店員さんはそう思ったのかなと、考えてみたくなりました。
僕たちの日常から遠ざかった着物
かつて着物は日本人の日常着でした。
でも、明治時代以降の西洋化で、着物は徐々に「特別な場面で着る衣装」に変わっていきました。
結婚式や成人式、お正月など、「ハレの日」の装いになっていきました。
僕が前にいた着物の会社も「着物を着る事で非日常をお客様に提供する」という事をコンセプトの一つに置いていました。
なので、多くの人にとっては、着物を着ることは「特別な経験」「非日常」になってしまっています。
だから、普段着として着物を着ている僕がハロウィーンの時期も重なって、店員さんには「仮装している」ように見えたんだと思います。これが別の時期であれば、違う質問であった事は言うまでもないでしょう!
着物を着るだけでは仮装ではない!
「着物=〇〇」という価値観は今の様々な事が多様化する日本においては人それぞれです。
冬に着物を着ていても「どこかでお祭りですか?」と声をかけられる。これはその人にとって「着物=お祭り」という考えがあるからです。
今回の場合も「着物=仮装」という考え方がその人にあったからそんな質問になったんだと思います。
ただし!声を大にして言いたいのは最初に述べたように「着物を着るだけでは仮装ではない」という事です!
実はもたはんは仮装好きです。
決してお見せする事はできませんが大学時代にナースの仮装をさせられた事があり、意外とノリノリだった自分を覚えています(笑)仮装は楽しいですし、それこそ「非日常」を味わえます。(この気持ちは今普通に着物を着られているメンタルの源泉なのかもしれません。)
なので「仮装ですか?」と言われた時の返しとして最も適切だったのは「何の仮装に見えますか?」だったと後悔しています。「普段から着てるんですよ〜」と普通の返しをしてしまった事を心から悔いています(笑)
さて着物を着ている人の仮装、何があるでしょうか?
ルパンの石川五ェ門、坂本龍馬、るろうに剣心…何か僕に似合いそうなものがあれば是非教えて下さい。来年の参考にします。
脱「着物=仮装」に向けて
「仮装ですか?」という質問は、僕にとって気づきを与えてくれました。
それは日本における着物という伝統文化の今の立ち位置であり、個々人の「着物=〇〇」という価値観の違いです。
そしてやはり「着物を着るだけでは仮装にならない!」という事が今回の大きな結論となります。
この事は多くの人に是非共有して頂き、着物を着るだけでは仮装でもコスプレでもなく、その上の何かを目指す必要があるという事を来年に向けて考えて欲しい。
来年のハロウィーン、あなたは着物を着て何の仮装をしますか?(笑)
着物もハロウィーンも楽しみましょう!