黒澤桐材店という「人」
黒澤桐材店の下駄展を終えて
2日間、黒澤桐材店の黒澤さんを招いての下駄展を開催しました。
福井県外からも多数のご来店ありがとうございました!
店内に、県外の方が溢れ、一時観光地みたいになって嬉しかったです(笑)
黒澤さんのイベントは年に1回。
今回で3回目となりました。
呉服屋さんでの開催はほとんどしていない中で
北陸、福井県の開催とあって
毎回ちょっとプレッシャーを感じておりますw
黒澤桐材店の下駄の特徴
黒澤さんの下駄の特徴と言えば
そのデザイン性の高さとソールの丈夫さ
そして修理ができるという
メンテナンス性の高さにあると思います。
中でも、もたはんが気に入っているのは
ソール、下駄底です。
今まで履いてきた下駄は
どれもこれも見てくれはいいのですが
下駄底が弱く、すり減ったり石が刺さったりして
すぐダメになるものが多かったのです。
ところが黒澤さんの下駄は
ビブラムソールという
本来靴に使われる底を張っています。
草履のカレンブロッソさんも採用しているソールです。
ビブラムソールはもともと
登山靴にも使われている靴底なので
丈夫で滑りにくく、耐久性が高いのが特徴。
そのため黒澤さんの下駄は
異常なほどソールが痛みません(笑)
いままでいろんな下駄を見たり
履いたりしていますが本当に丈夫です。
ソールが丈夫なおかげで痛みやすく
柔らかい木材である桐を保護してくれるので
二重に下駄が長持ちします。
下駄って実はすり減る事で
買い替え需要に繋げたりするものなのですが
長く大切に履いてほしいという
黒澤さんの思いもあり
この丈夫さを実現しています。
下駄に使われる会津桐も
貴重な国産木材でもあるので
ソールの丈夫さが何重にも
いい効果を生みだしています。
毎年欲しくなる黒澤さんの商品作り
3回目の今回は
夏の全国行脚を終えての福井開催で
今年はどんな下駄が評判だったか
地域によって異なる下駄の売れ行きなど
いろいろと教えて頂きました。
1回目に一足。
2回目にもう一足。
年々下駄が増えていっているもたはん(笑)
今年はさすがに…と心に決めておりました(笑)
しかし!さすがは世界の黒澤!
見たら欲しくなってしまう黒澤マジックに
今年もかかってしまいました。
というのも
毎年新たな商品作りに取り組んでいるので
来るたびに見せられる新しい下駄は
欲しくならずにはいられません!
特に青好きのもたはんをターゲットにした商品ラインナップには頭を抱える事この上なし!!
1年目にはなかった青い下駄が2年目には登場!
3年目にはさらに倍増しておりました!
ないものは作るという姿勢に職人のプライドを感じます。
「下駄=夏」のイメージ
黒澤桐材店さんのイベントをするまでは
もたはんも
「下駄=夏」
のイメージを強く持っていました。
そもそも福井においては
下駄は今まで夏にしか売れませんでしたし
一般的なメーカーも
夏を目指した下駄作りしかしていないためです。
もちろんよく売れるのは夏ですが
本来下駄は普段履きとして
ファッションとして履かれていた履き物です。
「浴衣=夏」というイメージと同じく
「下駄=夏」というイメージを払拭させてくれたのが黒澤さんでした。
下駄の未来は着物の未来
今回2日間、近い世代
そして同じくらいの子どもを持つ身として
自分たちの業界の将来の話をしました。
同じ伝統産業であり
近い将来ものづくりがどうなるか分からないという課題を
下駄業界も抱えている事が分かりました。
着物も反物から着物に仕立てる
和裁士不足が問題になっていますが
下駄も会津桐から
下駄の形に加工する職人が不足している問題があるそうです。
どうにか自分たちの次の代に繋いでいける下地をつくりたいですねと
黒澤さんとお酒を飲みながら話せたのは貴重な経験でした。
下駄の未来も着物の未来も同じところに通じていると思うので
これからも一緒に仕事ができていければと願わずにはいられません。
また来年ももたはんに来て頂けるように頑張ります!