着物に求めるものは?

今回のお題は

「着物に求めるもの」です。

 

 

これをお読みの皆様は

ある程度着物に求めるものがあるんじゃないかと思いますが

着物に求めるものはなんですか?

僕は楽しさだったり

人との出会いだったりします。

 

 

先日長らくお客様とお作りしていた

スーツ地の着物が出来上がってきました。

その着物は筒袖の着物で

着物独特の長い袖がないので

それこそ洋服の袖みたいに見える着物です。

 

 

この依頼をくれたお客様は

普段から着物のアウターは

洋服のアウターを着たいという理由で

筒袖の着物を望んでいました。

 

 

僕も便乗して

お客様と同じ形の

スーツ地着物を作らせてもらって

袖付けもかなり細くした

「細腕着物」を作ってみました。

この着物です(笑)

ちょっと分かりにくいかもしれませんが

本当に見た目は洋服みたいな袖です。

一般的な着物の袖丈が50cmほどあるのに対して

この着物は20cmほどしかありません。

 

 

正直この着物を作るまでは

筒袖の着物には

「作務衣みたい」という先入観があり

あまり乗り気ではありませんでした。

僕みたいにラフに着物を着てる人間でもです。

先入観って怖いですね〜

 

 

でも作ってみての着心地は

「動きやすい」の一言。

上半身の機動力マックスで

かなり気に入りました。

 

 

で、お店でも早速着てみて

いろんなお客さんに感想を聞いてみたところ

「なんかへん」

「私は普通の袖がいいかな〜」

と着てもいないけど結構不評(笑)

 

 

まあ作る前の僕がそうでしたから

仕方ないのかなと。

 

 

で、やっと本題なのですが

皆さんは着物に何を求めているのか

という話です。

 

 

それを今回の袖事件から考えてみます(笑)

一般的な人は

着物は普通の袖がいいと思っているようです。

袖がある方が着物っぽいですからね。

 

 

着物の袖は機能性、機動性の面から見れば

「ない方が楽」なのは明白です。

 


でも着物の袖が欲しいと思うのは

長い年月受け継がれてきた着物に対する伝統という名の

先入観で

言うなれば懐かしさを感じさせる

着物のノスタルジックな側面にあるんじゃないかなと。

 

 

着物って今の時代着ている人はほとんど見ませんが

心のどこかにある憧れが

着物が着たいという思いへと導いてくれます。

 

 

その憧れの着物には

ちゃんと長い袖がついていて

その袖があるからこそ着物、

みたいなところがあるんだと思います。

 

 

多くの人にとって

着物はノスタルジックな

憧れを抱かせるものという位置づけは強いんだな〜と分かりつつ

2022年の僕は

じわじわと筒袖の着物を着て

その自由度を高めていきたいと思います。

 

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